派遣は正社員の下か

派遣の仕事につく時、その職場のことは、雑誌やネット、もちろん派遣会社の担当からの説明とかでおおよそのことがわかるものです。そして、その会社の人と面接しても雰囲気がわかるものですが、入ってみないとわからないのが人間関係です。この場合、正社員との人間関係と言い直した方が正確かもしれません。そう、派遣と正社員ってなかなか違うものなのです。
例えば、初日に隣の正社員に挨拶をしたとしても「よろしくお願いします」と深々と頭を下げたところ、その正社員は派遣社員をを上から下までつーっと眺め、そのまま無視した話はよく聞くことですね。

派遣の扱い

派遣って常に派遣先の会社や社員から冷遇されるものなの? というと。そんなことはありません。派遣の扱いもその会社によって様々といえます。
数年前に派遣にいったのは、某国立の医療機関。といっても医療事務の仕事ではありません。さりとて一般の事務の仕事でもなく。なんというのか、先生方の会議の準備とか、その結果をHPにアップしたりとか、そんな派遣さんだったのです。
暇だった。いや、内緒だけど。本当に。3ヶ月しか勤めなかったけれども。
1ヶ月は仕事覚えるのにそれなりに時間がかかるから、暇でもなかったけれども。
2ヶ月目は明らかに暇になり。ところが前任の派遣さんが1年分のHPアップ事務をしてなかったことが判明し、それをせっせとこなして暇をつぶし。(しかし、この前任の派遣さん、まともに働いても暇なのに、さらに1年分のHPアップ事務をしないで何をしていたんだろう・・・)
3ヶ月目は、誰も理解できてないというこのHPアップ事務等の作業マニュアルを作成することで暇をつぶし。
辞める時には、その医療機関の先生やスタッフの方々から、「軌道修正するために現れてくれた救世主」とまで言われて感謝されました。「いや、あんまり暇だったから」とはいわずに(笑)。「こちらこそお世話になりました」と頭を下げ。そんな気持ちよく派遣ライフをすごさせてくださるところだってあるのです。

偽装請負って何?

偽装請負について、耳にすることがありますが。製造業の工場で、多くの労働者が「偽装請負」の形態で働かされていると。外部から「請負」で受け入れた労働者たちを低賃金で使って、要らなくなったら解雇が簡単にできちゃう、その実態は過酷なものがあります。
派遣と請負、わかりそうで、よくわからないその違い。
「請負」というのは民法に規定され、「請負人が相手方に対し仕事の完成を約し、注文者がこの仕事の完成に対する報酬を支払うことを約することにより成立する、諾成・双務・有償の契約」とあります。要は、請負人は注文者と「雇用関係」にない。だから労働法関係で定める労働者保護の部分があいまいになる。そして「派遣」は指揮監督は派遣先にあるけど、派遣会社と雇用関係にあり、労働者扱い。
工場の製造ライン作業─この実態を「請負」というには、あまりにもこじつけ。しかし請負の、その労働者扱いしないあいまいさにつけこんで、こういった偽装請負が横行したのでしょう。

派遣できるといわれても

偽装請負が横行する背景となったのが、もう一つ。製造部門での労働者派遣ができるようになったのは、2004年の3月からだそうです。それまでは生産ラインでの労働者派遣はできなかったわけですから、そりゃ横行しますよね。
しかし。しかしだ、諸君(誰? 「派遣できるんだよー」ってわいれて。「あ、よかった、これで派遣に切り替えて、彼らの労働条件をよくしてあげよう!!」などと思う雇用者っていますかね? もちろんゼロではないわけですけども。実態は・・・報道のとおり某大手メーカーさん、正社員の3倍以上の偽装請負人たちが・・・
誰も人を使い捨てになんぞしたいわけではないけれども。利益をあげなければならない企業の宿命。偽装請負をよしとしない制度を整えても。整えただけでは、社会はなかなか変わるものではないですね。

派遣社員